A地帯

創作小説、ブロント語、その他雑記等。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

アンジャスト・ナイツ2/Black Embrace #12 「Sex on the beach①」

「やあーっと着いたぁ……」 部屋に入った瞬間、疲れを口から吐き出しつつ、ソファーにごろりと横たわるレジー。 夜9時を回り、目的地であるボルドーに到着したエーカー一行は、地下列車を降車し、そのまま線路の真上にある宿『シャトー・アンジュ』に泊まるこ…

アンジャスト・ナイツ2/Black Embrace #11 「Red Eye②」

セントフィナス王国の王族が踏み入ることを赦された領域、ロイヤルハウス。 その中でも東の庭園は、アレクセイ国王の弟であるダニイルが最も気に入っている場所の一つであり、この庭の手入れが彼の日課の一つである。池の魚のエサやりから芝刈りまで、一人で…

アンジャスト・ナイツ2/Black Embrace #10 「Red Eye①」

北大西洋。バミューダ諸島とプエルトリコのちょうど中間地点、バミューダトライアングルのちょうど入り口に、人口92000人の小さな島国が浮かんでいる。 それがセントフィナス王国だ。 かつては軍事拠点として利用されていたが、英国の手に渡った後、17年前に…

アンジャスト・ナイツ2/Black Embrace #9 「42nd street③」

列車の天井に着地したボンゴは、王女のいる車両に向けて駆け出した。 とはいっても、走行する車両の上だ。それほどスピードは出せない。それでも図体の大きいボンゴが走ったり車両間を飛び移ることができるのは、法力を使って体勢を安定させているからだった…

アンジャスト・ナイツ2/Black Embrace #8 「42nd street②」

エーカーとアルドロの関係を表すのに、『犬猿の仲』よりも適した言葉はないだろう。 同じ職場の傭兵なら必ずしも仲が良いという訳ではない。特にエーカーはその性格から周囲に訝しまれることは多いが、それにしてもこの2人の犬猿っぷりは度を越している。 要…

アンジャスト・ナイツ2/Black Embrace #7 「42nd street①」

「……もっとイカした格好は用意できなかったのか?」 レジーが身じろぎしながらボヤくのも最もだった。今現在、エーカー達一行は王女や執事まで、全員が薄汚れた作業服を着て、地下の車両基地へ向かっている。 どうやら、今時の若者を尽く体現したレジーとい…